JR尾張森岡駅から徒歩30分の高台にある森岡台団地では、団地内の商店が減少し、駅近くのスーパーに買い物に行くにも、行きは本数の少ない町の巡回バスで行っても、帰りはタクシー利用という方も少なくありません。車で出かける方も、高齢者の運転がいつまで続くか疑問視されます。子どもたちは大都市圏に住み、親を訪ねる機会も減ってきています。近隣市町に住む子どもが買い物や通院の手助けをして辛うじて生活をまかなっている独居、あるいは老々世帯というのが現状です。しかし、この町に住む親世代は、生活の不自由さを感じつつも現状を受け入れ、今まで暮らし続けてきたように他人に頼らず、自己完結している姿が強く見られます。「困っていない」と答えている人が多いのもその現れではないでしょうか?

ヒアリング調査では、「地域に気の合う仲間(友人)はいますか」との問いに対して、女性の約9割がいると答えていますが、男性は79歳以下では2人に1人、80歳以上になると4人に1人しか地域に友人がいないという結果でした。また、相談相手として配偶者や子どもを頼りにしており、高齢になればなるほど地域に相談相手がいなくなる恐れがあります。特に男性は、地域とのつながりが薄く、配偶者が亡くなり独居になれば、地域とのつながりは皆無になってしまいます。

このような状況において、森岡台団地でこれから先も安心して暮らすためには、次のことが課題であると考えました。

 (1)地域に相談相手がいない

 (2)地域とのつながりを持つ機会や場所がない

今回の調査でも、調査対象のすべての年代・性別で4割以上がサロンや居場所、相談場所が必要と感じています。

この課題に取り組んでいる団体