発達障がいやその可能性がある子どもたちのなかには、早い段階での学習のつまずきが原因で、学習面での困難さを抱える子どもが多くいます。彼らは学習面で学校に適応することが難しく、高校などへの進学をあきらめざるを得ない場合もあります。発達が遅れている子どもほど社会に早く出てしまう状況にあり、中学以降の進学ができないことは、子どもの将来に大きく影響し、反社会的な勢力や貧困とつながる危険性もあります。
また、多くの子どもが在籍学年より以前の段階で学習につまずいています。つまずいた内容の学習が必要ですが、現在の学習指導要領では児童生徒の発達段階に応じた支援の必要性については述べられていますが、該当学年に応じた発達段階の支援方針であり、子ども一人ひとりの発達段階に応じるものではありません。学校の学習は系統的に進むため、学年をさかのぼっての学び直しは困難です。一方、学校以外の発達障がいがある子どもに対応できる学習塾のような学びの場も十分ではありません。また、発達障がいやその可能性のある子どもの支援では、支援者や家庭との連携も重要ですが、学校と家庭や学習塾が連携して子どもの指導にあたる例も少ないです。
発達障がいがある子どもたちの苦手なことやできないことは、発達段階に適した学習や教材の工夫で、習得できる場合が多くあります。現在のやり方では子どもの可能性を無視し、本人の自己肯定感を傷つけ、引きこもりや非行などの二次的な問題の原因になることも多いのが課題となっています。子どもの可能性を広げ、自立して生活していく力を育むためにも、学校と家庭と支援者が連携し、彼ら一人ひとりの発達に合わせた学習支援を早期に行うことが必要です。
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