少年院を出院後、家庭に戻ることができない少年が暮らすホームが、NPO法人再非行防止サポートセンター愛知によって2015年12月に開設されてから1年半が経ち、現在は児童相談所で一時保護された少年(少女)も受け入れ、11室が運営されています。
再非行なく社会生活になじみ、自立への階段を上がっていくための寄り添い支援を受けるホームで暮らす少年たちのなかには児童養護施設や自立支援施設等の施設出身者や、ひとり親、生活困窮などの家庭環境がある少年もいます。そのため、措置期間終了後は自活せざるを得ない中で、短期就労を繰りかえす等、結果、就労意欲も減退し、悪循環に陥ってしまいがちです。その一因として、発達障がいや軽度の知的障がい、精神障がい等の複合困難が社会的な自立を阻んでいることが多いに影響していることがわかってきました。協力雇用主(非行を知った上で雇用する国の制度)がありますが、社会経験が乏しいため、自分に合った仕事とわからず、日当の高さだけで決めた結果、「こんなはずではなかった」と、初期段階でつまずいてしまい、自信喪失して日数だけが経ってしまうこともよくあります。
社会的養護が必要な少年にとっては、措置期間中をむだにすることなく、自らの社会的な自立へのシナリオを描き、合った仕事が見つかり、継続就労でき、貯蓄をして措置終了後は自活すること。そして、スタッフは少しでも早く実現するための援助を行うことが必要ですが、なかなか難しいのが現状です。
少年が、自らの意思で就労を継続して社会的な自立へ向かっていくためには、(1)少年自身が強みを見つける(2)強みに合ったさまざまな仕事を経験する(就労体験)(3)社会で働く練習をする(訓練)(4)一般就労が難しいと判断された場合は、社会経験が乏しい少年が障がい者就労をマイナスではなくプラスのイメージで理解し、自分で就労を考えること。またスタッフは、少年の希望と本音をもとに援助できる環境づくりが必要です。
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