本調査により、ひとり親が子育てしながら働く上での課題が、以下のように見えてきました。

(1)【ひとり親】
収入アップ、正社員への転換、心地よい就労環境の整備には、子どもの急な発熱などを理由とした欠勤・遅刻・早退への対応が課題

愛知県で暮らすひとり親の「子育てをしながら働く上での困りごと」として、「突然の休みなどで職場に迷惑をかける」「家事をする時間が取れない」「子どもが病気になったときの預け先がない」「収入が少ない」などがあります。また、実際に母子世帯で働いている方のお話を伺うと、「正社員に転換したいためできる限り仕事を休みたくないが、子どもは病気になってしまうことが多く困っている」「職場で気を遣われて申し訳ない気持ちになる」といった声が聞かれました。収入アップや正職員への転換を図るため、また心地よく働くためにも、急な欠勤・遅刻・早退などへの対応が必要であることがわかりました。

(2)【企業】
子育て中の母親を雇用するには、急な欠勤・遅刻・早退の解消が必要

愛知県の女性の活躍促進宣言企業を中心に「子育てしながら働きたい女性の雇用についての懸念」について質問したところ、「子どもの看病などで急に休む」ということを懸念しているという回答が最も多くなっています。

ひとり親と企業の双方が、子どもが病気などの理由で突発的に休む必要が生じた場合の懸念を抱えています。しかし、保育園や幼稚園には37.5度以上の発熱や、インフルエンザなどの感染症にかかった子どもを預けることができません。現在、仕事を休めない親に代わり保育ケアを行う「病児保育室」がありますが、調査の中でそのサービスに関する課題も見えてきました。

(3)【既存サービス】
利用したいときに利用できない状況の改善が必要

当団体が拠点として活動している岩倉市では、5歳未満の子どもの数2,064人に対し、病院内に設置されている病児保育室が1ヶ所。ひとり親からは、「病院の休診日は利用できない」「始まりが遅く、出勤時間に間に合わない」「いつもいっぱいで利用できない」という意見が聞かれました。

この課題に取り組んでいる団体