2014年度名古屋市会の6月定例会で「居住実態が把握できない児童」への対策が持ち出されたように、居住実態の把握は問題視され、名古屋市は88人の児童が把握できていないとされています。児童相談所では抱えられないほどの子どもたちがおり、地域に根ざした支援者が点在していることが必要です。また、非行やぐ犯により保護観察を受けた子どもの面接、指導を請け負う保護司は、年々減少傾向にあり、2014年度の保護司の実人員は全国で47,914人、平均年齢は64.6歳となっています(全国保護司連盟HPより)。非行やぐ犯を行う子どもたちと年齢がかけ離れ、保護司一人当たりが受け持つ子も多くなり、年齢、キャパシティ的にも寄り添うことが難しくなってきています。

愛知県における2013年の不良少年数(不良行為少年数)は74,316人、2011年の69,170人から年々増え続けています。しかし、子どもに直接かかわりを持つ支援機関は警察の少年サポートセンターのみで、彼らの受け皿となる場所が圧倒的に少ないことも課題と言えます。

さらに、名古屋市児童相談所に寄せられた相談件数は増加しており、相談内容において2013年度の非行相談は前年度の相談区分と比べ、区分別で最も増加しています。相談経路としても親族や近隣知人、児童委員は前年度に比べ減少していますが、警察からの相談は20%以上も増加しています(「2013年度名古屋市児童相談所相談実績等の概要について」より)。名古屋市の不良少年は増加傾向にあり、非行に限らず地域のつながりの希薄化から、地域、社会の中に頼れる大人の存在がなく、警察による介入が増加していると言えます。近年では、違法な路上スカウトやJKビジネスが社会的に孤立した子どもの受け皿となっており、犯罪や非行の温床となっています。また、少年院入所者の62%が保護者からの虐待を受けたと申し出ています(2014年2月法務省調査)。

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