愛知県では、2012年時点で中学生の不登校生徒数は6,093人、小学生は1,644人おり(総務省統計局より)、この10年間でこの数字に大きな変化は見られません。そして、16,600世帯がひきこもり者を抱えていると推計されています(愛知県のひきこもり対策の推進について(報告書)より)。また、2011年に徘徊や家出、万引きなどで警察に摘発・補導された少年少女は、豊橋市と豊川市だけで1,600人を超え(東日新聞2013年4月8日より)、まだまだ救わなければならない子どもたちが多くいます。

不登校やひきこもりになる原因はさまざまですが、学校や地域、友人間、家庭での画一的な判断、個性および多様性の否定や誤解に端を発している場合が多くみられます。そのような状況の中で、彼らは対人関係につまずき、自分の存在意義や価値を見失い、家族や社会から孤立した結果、長くひきこもりになるケースがあります。家族にも本音が言えず、家にも居場所がない子どもたちが、時には非行に走るケースもあり、家族関係の崩壊にもつながりかねません。

子どもたちの成育歴に寄り添い、理解していくことは社会全体で考えていくべき問題ですが、そのためには以下の3つの課題があります。

(1)集団生活、対人関係を苦手とする子どもたちに、他人とつながっていることの喜びや価値を理解する機会が継続的に提供されていないこと
(2)子どもたちの個性および多様性が家族、学校、社会から理解されていないこと
(3)高校に行けず、無職となっている少年少女たちや、さまざまな問題を抱えて就労が困難な若者に対する社会への自立支援の場が足りないこと

公園やコンビニの出入口にしか居場所がなく、社会とのつながりも希薄な孤立した彼らにとって、自分の存在意義に気づき、自らの力で社会へと向かう場が必要です。

この課題に取り組んでいる団体