【子ども・教育】NPO法人PakaPaka

P.25提案写真サロン

国が示す家族支援は「子どもの育ちや暮らしを安定させること」を基本としています。しかし、当団体では、「家族支援は療育の質を向上させるために重要である」という考えに基づき、家族のソーシャルサポート(具体的な手助け)とメンタルケアを目的とした家族支援環境をつくり、地域に広げる取り組みを下記のように提案します。

(1)武豊町でPakaPakaオリジナルの家族支援体制を構築
武豊町をモデル地域として設定し、情報提供を主な目的としたサロンを月1~2回開催します。サロンを定期的に開催する中で運営に協力してくれる家族(サポーター)を募り、運営体制の強化を図ります。また、サポーターを対象に傾聴スキル等を身につける学習会などを開催し、相談役として活躍できる環境を整えます。その際、サポーターの重要性や責任感を認識してもらうため、少額でも報酬を支払う仕組みを構築するとともに、サロン終了後にサポーターの意見交換の場をつくるなど、フォロー体制を整えます。

(2)武豊町でサロンと公的機関の連携体制を確立
サポーターは話を聴くことはできますが、専門的なアドバイスをすることはできません。家族が抱える課題の中には専門的な知識を必要とするものもあるため、公的機関との連携体制を構築し、必要に応じて相談者を公的機関へとつなげます。また、家族の公的機関に対する心理的なハードルを下げるため、サポーターの学習会に公的機関関係者を講師として迎えるなどの工夫を行います。

(3)武豊町で構築したモデルの美浜町、南知多町への波及
知多南部3町を発達障がい児やその家族にとって暮らしやすい環境とするため、武豊町で確立した家族支援体制を美浜町、南知多町に広げます。武豊町が経たプロセスを参考としつつも、両町の人材による地域性に合った体制の構築を目指します。

今回の調査で明らかになった「同じ経験をした親による支援」の必要性に応えるため、発達障がい児の家族が相談できる場所をつくりながら、同じ経験をした親がサポーターとなるための養成環境や、そのフォロー体制を整えていくことで、サポーターを中心としたインフォーマルな家族支援を次世代につなげていきたいと思います。

※この解決策は、あいちコミュニティ財団の「あいち・なごや子どもとつくる基金」2015年度助成先による提案です。

この解決策の詳細は、あいちコミュニティ財団Webサイトの下記ブログをご覧ください。
http://aichi-community.jp/posts/12695