【文化・スポーツ・科学】NPO法人楽知ん研究所

楽知ん研究所が開発した〈バンジーチャイム演奏会〉講座は、簡単な科学の原理に基づく、全員参加型の楽しい音遊びのプログラムです。この講座で使用する〈バンジーチャイム〉は、音楽の得意不得意に関係ないだけでなく、年齢、性別、国籍、障がいをお持ちの方であっても、一緒に参加できる、珍しいバリアフリーな楽器です。私たちは、この講座を繰り返すうちに、参加者の

「練習せずに世界で一番、簡単に笑顔を生む楽器」
「子どもからお年寄り、車イスの人まで参加できるバリアフリーな楽器」
「初めて出会った人とでも一体感が持てる楽器」
「誰かにバンジーチャイム演奏会を披露している自分の姿を想像できる」

といった感想から、ただの楽器以上の力を持っていることに気づきました。〈バンジーチャイム演奏会〉は、社会での参画ステップと似ています。誰でも参加できる〈バンジーチャイム演奏会〉で、はじめの一歩を踏み出し、他人と協働する楽しさを知り、周りの人の笑顔を見て自分も満足し、自分も他人のためにできることがあることを知る、疑似体験ができます。
〈バンジーチャイム演奏会〉は、科学と音楽の楽しさの上に、人とつながり、協働し、社会の笑顔を広めることで、社会貢献の意味を考える教育プログラムとして有効であると、これまでの講座の参加者の反応から感じています。

私たちは、次の3点に取り組んでいきます。
(1)社会の笑顔を広めるための社会貢献を認識できる教育プログラムの研究開発
講座の最後に読む紙芝居を開発します。参加者それぞれが、「社会の笑顔を広める」ことの意味に気づく内容のものです。
(2)〈バンジーチャイム演奏会〉講座の開催、講師育成、実演セットのレンタル・販売促進などの普及活動
講座を一度体験すると誰でも講師になれ、社会の笑顔を広めていけます。まずは、以下の団体等に対し、重点的に普及促進に取り組みます。
●「障がい者・高齢者等福祉サービス」での実施:支援をする・されるという関係でなく、包摂的な社会の一員として、一体感が生まれ、相互理解が深まることが期待できます。
●「学校教育」での実施:協働する楽しさを知るとともに、障がい等の関係のない、包括的な教育を実践できます。
●「地域コミュニティ」での実施…自治会等の地域組織を強化したり、加入率を向上させる対策として、期待できます。
(3)〈バンジーチャイム演奏会〉の効果の情報発信
講座の講師や参加者の声を、SNSなども使って紹介していきます。

この入門教育プログラムは「はじめの一歩」を踏み出すキッカケに過ぎません。市民主役の社会づくりを担う人間を育み、社会の笑顔を広めていくために、さらなるものづくりや仕組みづくりの研究開発を、今後も多くの人とつながりながら続けていきます。

※この解決策は、あいちコミュニティ財団の「名フィル子どものエール基金」2013年度助成先による提案です。