【子ども・教育】NPO法人再非行防止サポートセンター愛知

愛知県には非行少年たちの矯正施設が3ヶ所あり、13歳から20歳までの少年を収容しています(※1)。出院後の少年への対応としては「家庭に戻すこと」が基本となりますが、さまざまな理由で「家に戻ることができない」少年がいます。彼らの出院後の受け入れ先として、「自立準備ホーム(以下ホーム)」を開所し、逮捕から出院後の社会的自立までを一貫してサポートするために、次の2つに取り組みます。

1.社会的自立プログラム「社会内サポート」の実施
少年院出院後、「戻る家庭がない」「家庭に戻せない」「いったん家庭に戻ったが不具合あり離れて暮らした方がよい」と名古屋保護観察所が判断し、緊急措置で受け入れた16歳から19歳の少年5名(※2)に対して、通常は保護者から有料でサポートを行っている「社会内サポート」を無料でサポートします。サポート担当と管理者の2名体制で6ヶ月実施し、日常生活支援、就労支援、就労継続支援等、再非行防止と退所後の自立へ向けての計画づくりを行ないます。

また、サポート効果が段階的に見えるよう数値化するために、「社会的自立の数値的評価シート」を作成します。「サポート報告書」の書式改善も行ない、ホームに入所してからの少年に対して、社会的自立具合を数値的に判断することで、「サポート体制の確立」を目指します。

2.個別進路相談と交流会の開催
出院後に戻る家庭がなく、ホームに期間限定で暮らす中で、退所後にひとりで生きていくための準備や計画を立てなければなりません。本交流会は、少年との信頼関係の構築はもとより、個々の少年と一緒に進路計画を作成し、少年の本音と希望に添った目標づくりをし、そのための情報を提供します。今後の計画の見直しも含め、さまざまな少年の個々の状況に合わせた退所後の青写真づくりの場として、食事を兼ねた交流会を月に1回程度開催します。

なお、本事業終了後までに「支援体制の確立」と「自立準備ホームに暮らす少年たちへの基金設立の準備」をします。愛知県内の少年院出院後、再非行することなく地域社会の中で自立できる青少年が増えている社会づくりの構築を進めていきます。

※1:愛知県にある矯正施設は瀬戸市、豊田市、豊明市の3ヶ所。少年のみを収容し、少女は収容していない。
※2:2016年10月31日現在の人数

※この解決策は、あいちコミュニティ財団の住友理工あったか未来基金2016年度助成先による提案です。