2007年度の特別支援法施行により、普通学級にも特別支援の必要な子どもたちが在籍しています。2012年度の全国的な調査で約6.5%(出展:文部科学省)、現在では発達障がいと判定された子どもの数は微増ですが、親が専門機関での判定を受けようとしないためにグレーゾーンも多く、専門家の間では特別支援を必要としている子どもは10%近くいると言われています。
現在、以下の2つが大きな課題となっています。
(1)普通学級にも特別支援の必要な子どもたちが2~3人ずつ在籍しているが、彼らの特性に対応できているとは言いがたい。担任1人では、多動などで教室から飛び出す子に付き添うことや指示がわからない子に個々に声がけすることは難しい。
(2)一般の人たちや担任がこの子らを正しく理解していない場合も多く、わがままや家庭のしつけの問題、なまけなどと誤解されている。彼らは人格を否定され、二次障がい(登校拒否、非行、ニートなど)に陥っている。また、家族も理解ない言葉に傷つき、悩んでいる。
この状態を放置すれば、周りの無理解で傷ついた子どもたちが行き場を失い、引きこもりや非行へとつながっていくことが予想されます。現在、保護司さんが担当する子どもの6割近くが、こういった子どもたちとの報告もあります。
子どものこだわりを持った性格を生かした役割分担、支援ツールを使った学習の手助けなど、子どもの生きづらさを少しでも解消できる方法を考えていくべきで、こうした取り組みが貴重な才能の発掘にもつながります。著名な美術家や建築家には、発達障がいの人も多くみられます。
俳優のトム・クルーズはディスレクシア(読字障がい)なので、台詞は代読者の録音されたものを暗記して覚えているという話は有名です。他にもアインシュタイン、岡本太郎、黒柳徹子さんもそうであると言われています。
「違いは個性」ととらえる社会をつくっていかなければ、すばらしい才能も埋もれ、いじめや他人を排除する社会になってしまいます。
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