名古屋市の「高校在学者数」は約6.7万人(2013年)。そのうち、進学や就職を経ながらも、約3.8万人が不安定就労状態(フリーター、ニート、ひきこもり、無業者、3年以内の離職)になるという現実があります(2004年~11年の文部科学省・学校基本調査を元に試算)。

学びの場から社会への歩みを止める若者が急増していることは大きな問題です。背景には、現代の若者が職場や社会に出る前の段階において、自分の能力についての理解、あるいは社会と自分との関わり、将来に対する目標などを見失う傾向にあることが大きく影響していると考えられます。そのため、早期からの社会との接点が必要です。

愛知県では2015年度までに、「県立高等学校のインターンシップの実施100%」という目標が掲げられ、インターンシップへのニーズは教育の現場でも高まっています。しかし、現場の教員は、教科指導・生徒指導・進路指導・部活動の指導など、非常に多忙であり、学校は企業との接点を持っていることが少ないため、教員や学校独自でインターンシップを企画することは困難を極めます。このような原因から、現場ではインターンシップの必要性を感じながらもうまく導入できずにいる現状があります。

職業高校では目の前の就職に向け、従来からインターンシップが積極的に行われていますが、普通科高校ではそのような機会も少なく、明確な目的もないまま、なんとなく大学へ進学し、就職活動をする大学3年生の後期になって迷い焦っているのが現状です。また、学校教育の中では正解を求められがちですが、正解を出すまでの過程で試行錯誤し、失敗から学ぶことを体験できる生の機会も必要であると考えます。

高校卒業後、約6割の若者が不安定就労状態という現実があります。在学中に「働くことのイメージ」や「将来の目標、目的」がないまま就職や進学し、不安定就労状態に落ちていきます。この問題を放置した場合、若者の自殺、不安定雇用による社会問題、生活保護の増大など、さらなる深刻な問題につながることが懸念されます。

この課題に取り組んでいる団体