自分で歩いたり、座ったりすることが難しく、思うように動くことができない子どもたちがいます。また、食事を自分で食べることができず、口に入れてもらっても、うまく飲み込めずにむせてしまったり、呼吸をすることにも努力を要したりする子どももいます。

名古屋市の身体障がい者手帳所持者は、現在76,929名(名古屋市人口227万人の3.4%)。県立名古屋養護学校、港養護学校に通う重度重複学級に在籍する児童生徒は、300名弱です。名古屋市立の肢体不自由学級に通う重症児は数名です。名古屋市に住む児童生徒の同年齢人口のおよそ1,000人に2名が自分で座ることや動くことが難しく、知的障がいを併せていて、すべての生活動作に全面的な支援を必要としています。人工呼吸器や胃ろう、気管切開などの医療的ケアを必要としている子もいます。

重症児と呼ばれるこの子どもたちは、早期からの医療による治療、訓練のおかげで、生命を維持することができ、医療的な配慮のもとで家庭へ帰ることができるようなってきました。しかし、ご家族、特に母親は、毎日の生活や子育て上の課題に悩みつつ、日々の介護と治療、訓練に追われています。母親は、重症児を育てた経験がなく、不安と悩みが絶えません。どのように育てていけばよいのか、子育ての指針や方法がわからず、医療的な見方ばかりに偏って、生活のすべてが訓練的なものになってしまう傾向さえ少なくありません。このような障がいの重い子どもと親のための基礎的な支援として「ふれあう力」「食べる力」を大切にした子育て支援や研修が必要となっています。

この課題に取り組んでいる団体