アレルギー患者のうち、食物アレルギー患者は2.6%、アトピー性皮膚炎は5.5%、ぜん息は5.7%(アレルギー疾患に関する調査結果・文科省・2007年3月)いるとされ、食物アレルギーやぜん息は命にかかわることも少なくありません。また, アトピーが原因のいじめや自殺などもあり、アレルギーは社会的にも深刻な問題となっています。医師から「お子さんはアレルギーです」と診断をされた親は、
・とても不安な気持ちでいっぱいでした。何をどうしたらいいかさっぱりわからない
・医師によって見解や方向性が異なり、どうやって子どものアレルギーと付き合えばいいのかがわからない
・我が子をアレルギー体質にしてしまったのは自分のせいではないかと…と自分を責める
など、子育てに不安が生じるだけでなく、自分自身を追い込んでしまうこともあります。

ところが、名古屋市内にはこのような親の悩みを受け止める機関が2009年9月まで一つもありませんでした。市内16区の保健所では、医師による「アレルギー相談」は開催されていましたが、正しい情報を得るための勉強会や患者同士の交流や悩みを分かち合う集いの場はなく、アレルギー児の保護者は孤独に子育てをしています。アレルギー支援は、発達障害児・身体障害児・多胎児などに対する支援と比べても遅れていると言わざるを得ません。

アレルギー支援ネットワークが患者会の設立支援を開始して以来、5年間で市内に5つの会が設立されましたが、残り11区にはまだ患者が集う場がないのが現状です。

この課題に取り組んでいる団体