子育てを取り巻く現状として、子育て不安や困難、虐待、貧困などの問題が取り上げられています。名古屋市では、2012年度の児童一時保護件数は833件で、49%は虐待事由です。相談受付件数は1,522件で、うち3歳以下が431件(28%)と言われています。しかも、2011年度に比べ、その件数は68件増加しています(名古屋市中央児童相談所・2012年度)。

0歳から3歳の子どもを持つ家庭は離乳食、卒乳、イヤイヤ期の対応、発達の不安など、さまざまな理由で悩み、育児に限らず家族が抱えるさまざまな不安の声も聞かれます。また、名古屋市は他県からの転入が多い大都市のため土地勘がなく、「親子でどこへ遊びに行けばいいかよくわからなかった」との声もあります。すべての母親が情報の入手や活用が上手というわけではありません。地域のことがよくわからず、小さい子どもを抱えて生活するのはとても不安です。

現在、保健所では1歳半と3歳児の検診が行われていますが、小学校入学後の発達の問題も多数、表面化してきたことから、5歳児検診も必要ではないかと言われています。また、母親は子育ての難しさを感じ、その悩みを打ち明ける場を求めています。いわゆる「ママ友」は表面上の付き合いも多く、「実際に悩んでいるが、それを話せない」との声も聞きます。次第に孤立していく親子も見られ、小さな不安も積もり積もればイライラや焦りにつながり、やがて親子の関係がこじれてしまうこともあります。

親子が持つ問題をできるだけ早く把握し、困難と向き合いながらも子育てできるようサポートするために、小さい子どもを抱えた親子が気軽に来ることができる場所が数多く求められています。

この課題に取り組んでいる団体