春日井市は、核家族の世帯が愛知県平均56.3%に対して64.3%と主要都市の中でもトップクラスで、1995年から2010年までの15年間で核家族世帯数は約7,000世帯増加し、76,000世帯を越えました。家庭内に子育て経験者がいない状況下での子育ては、期待と同じくらいの不安を抱えています。しかし、子育て経験の継承が難しくなり、周囲が母親の子育てを支えづらい状況が存在しています。

現在、市内には40を越える子育て支援団体が存在します。しかし、その活動内容などの情報を発信できている団体は40団体のうち10団体程度で、残りの団体はできていません。また、団体同士が連携できていない結果、子どものアレルギー問題など、特有な悩みを相談したいと願っても、相談できる場所がわかりにくく、悩みの解決につながっていません。さらには、春日井市の育児情報雑誌や子育て支援団体の活動チラシは配布場所が限定的で、必要なときにすぐ手の届く場所にはありません。ましてや、産後すぐの母親は外出も難しく、どこに行けば春日井市の育児情報が手に入るのかわからない人もいます。インターネットで「春日井 子育て」と検索しても、雑多な情報も含め70万件を超える膨大な情報量があり、多様な育児の悩みに応えられる情報を誰も発信していない場合もあります。ほしい情報を探している最中に子どもが泣き始め、問題が解決されず途方に暮れてしまうケースが後を絶ちません。

行政も子育て支援情報のメール配信サービスを行っていますが、行政からの一方的な連絡事項の手段と感じている人や、「行ってみたいと魅力を感じるような情報がない」という声もあるなど、母親が求めている情報が配信されていない現状があります。また、市が発行する育児情報雑誌は昨年度から更新されておらず、行政の手も届いていない現状があります。

現在の子育て支援団体や行政の取り組みだけでは解決しきれていない一方で、2015年には核家族世帯が約80,000世帯に達すると予想されています。育児に不安や悩みが解消される環境をつくらない限り、子育てに不安を感じる母親はますます増えていくばかりです。

この課題に取り組んでいる団体