人口38万人「岡崎市」の東部にある面積約45%が旧額田地域といわれています。その約90%は山林と田畑です。つまり、岡崎市の約40%が山林と田畑で覆われています。額田地域はこの豊かな自然を生かし、お茶と林業を兼業して生活してきましたが、社会の変化に対応できない小規模農家は競争激化により衰退しました。1985年頃には178軒もあった農家も、今ではたった3軒にまで減少してしまいました。

実際、現在でも額田でお茶の生産を続けられているのは、製造・加工・販売までを一貫して行ってきた農家だけです。一方で、放棄された茶畑は、月日を経るごとに耕すのが難しくなり、次の世代に引き継ぐことが大変困難な状態に差し掛かっています。先祖から受け継いだ茶畑を維持するだけで精一杯であり、このままでは荒れた茶畑が増え、耕しなおすのに大変な労力とお金がかかります。

こうした農林業の衰退に伴い、仕事を求めて地域外に出てしまう額田地域で生まれた若い世代の人口流出が著しく、5年前と比べて約700人もの人口(7%)が減少し、その結果、8校あった小学校が2009年度には3校閉校しました。また、地元スーパーや医療機関もなくなり、バスも1日3本に減っています。山林、田畑を管理する担い手がいなくなったことで、景観だけでなく、下流域の岡崎市街地にも影響がおよび始め、濁流や土砂崩れ、河川の氾濫などの自然災害が多発しています。このまま何も対策しなければ、十数年後には人が住み続けられないという現状が目の前に迫ってきています。

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