長久手市は名古屋市の東側に位置し、人口約56,000人、約22,600世帯(2016年6月時点)です。総世帯数のうち、467世帯が「ひとり親と子どもの世帯」です(2010年国勢調査)。『都市データパック2016年版』(東洋経済新報社)によると、長久手市は住みよさランキングで全国第2位となっており、裕福な町だという印象を受けます。しかし、子どもの貧困は存在していると思われるデータもあります。長久手市子育て支援課に問い合わせたところ、2015年度に就学援助を受けていた児童・生徒数は171人、率に換算すると3.15%です。この数値はこの数年、横ばいを示しています。

2013年度の全国就学援助率の平均は15.42%で、愛知県では10.33%でした。長久手市は県内での就学支援率は低い地域ですが、経済的な支援を必要とする子どもがいないわけではありません。就学援助を受ける171人の児童・生徒の中には、貧困の子どもたちがいると考えられます。しかし、長久手市では、現時点で具体的な調査の実績がありません。2016年12月に、愛知県では「愛知子ども調査」を実施し2017年3月に公表予定です。2017年1月現在、子どもの貧困に関する調査を実施した実績があるのは沖縄県のみにとどまっています。

そこで市内7ヶ所の市立保育園の全54クラスの保育士を対象に、保育園児の生活に関するアンケートを実施しました(回収数48クラス・回収率89%)。結果をまとめたところ、次のような子どもの生活状況に気づいている保育士がいることが浮かび上がってきました。

・季節外れの服を着ている (13クラス・27.1%)
・朝食を食べていない(7クラス・14.6%)
・病院、歯科に通院できていない(病院5クラス、歯科8クラス・25.0%)
※病院と歯科の重複が1クラスあり、重複をのぞいた数

また、子どもと接する機会が多い児童館の職員や地域住民にヒアリングを実施しました。子どもが集まるサロンでボランティアをしている公団住宅の方からは「最近はひとり親の家庭や外国人の入居者が増え、彼らの中に貧困の子どもがいるようだ」という話を伺うことができました。

子どもに関わる関係者には貧困の子どもに気づいている人もいますが、具体的な支援にはつながっていない実情が浮かび上がり、子どもの成長を見守る人や団体が連携する仕組みがないこともわかってきました。

この課題に取り組んでいる団体