日進市では、6歳未満の子どものいる世帯の核家族率が、1990年の66.7%から2010年の92.1%へと急増しました。当法人では0〜2歳の子どもを持つ親に対し、子育ての不安・負担感についてアンケート(※1)を実施しました。9割の親が子育てに何らかの不安・負担感を感じていると回答し、その主な内容は「自分の時間がない」59%、「家事が思うようにできない」56%、「子どもの発育が心配」47%でした。
さらに、14%が「自分に代わって育児をする人がいない」と答えており、育児を担当する親の7人に1人が育児を一人で抱え込んでいるという現状です。その不安や負担感を解消するための対策について複数回答で質問したところ「子どもの成長と共に時が解決した」54%、「どうすることもできないのでやり過ごした」39%でした。「配偶者の協力で乗り切った」と答えた人も49%ありましたが、有効な手立てがないまま、この時期を過ごした家庭が多いのも実情です。
子どもが6か月頃までの時期は、不慣れな状況や子どもの発達の未熟さもあり、外に出かけづらく、家庭内で一日の大半を過ごす親が多いです。この時期に利用できる行政の支援で主なものは、電話相談と健診の2つです。また、地域の相互援助活動であるファミリーサポート事業はありますが、6か月以上の子の一時預かりとなっています。その他、ベビーシッターやホームヘルパーなどの民間事業者を利用することはできますが、費用の面で誰もが使いやすいとは言い難い状況です。
また、この時期の母親は産後のホルモンの急激な変化に加え、家事や育児に追われ、心身ともに非常に不安定な時期でもあります。このような状況にもかかわらず、1人で育児を抱え込み、外に助けを求められずにいる子育て家庭があることは気がかりです。
健全な親子の関係を育む基礎がつくられる「生後0~6か月の子どものいる子育て家庭」のニーズに適した支援の仕組みがないことが、この地域の課題です。
※1 2015年日進市に住む0〜2歳までの子を持つ親297人から回答(当法人調べ)
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