文部科学省中央教育審議会が、自然体験を含む体験活動について「子どもたちの成長の糧であり、『生きる力』をはぐくむ基礎となっている。」と言っているように、自然体験活動はすべての子どもに必要だと言えますが、不登校の子どもたちは学校教育の中で自然体験活動の機会に恵まれていないのが現状です。そこで、不登校の子どもたちを対象とした自然体験活動プログラムを提供することを目指し、不登校の子どもとその保護者に対して「自然体験活動」についての意識調査を実施しました。

■全国平均より高い愛知県の不登校率■
不登校率の全国平均はここ10年間1.17%前後で推移していますが、愛知県の不登校率は上昇傾向で、2013年においては1.33%と全国平均を上回っています。

■フリースクールにおける自然体験活動の現状■
愛知県内の24か所のフリースクールのうち、自然体験活動を取り入れているところは5校にとどまっています。自然活動体験ができない理由として、「自然体験活動のような野外の活動では、いつも以上に安全面などの危機管理を行う必要があり、十分な人手が必要なため取り入れることは難しい」などを挙げるフリースクールもありました。

■自然体験活動に対する高い期待■
今回の調査において、「自然体験活動へ参加したい(させたい)ですか」と質問したところ、不登校の子どもについては19人のうち12人が、保護者については18人全員が「参加したい(させたい)」との回答が得られました。

■期待される自然体験活動の効果■
自然体験活動に期待する効果については、私たちの考える自然体験活動の7つの効果のいずれに対しても、子どもも保護者も期待していることがわかりました。また、子どもと保護者それぞれの重要度の順位に着目すると、子どもは「自分でできる環境」「理解ある大人の存在」の順に高いのに対し、保護者においては「いつもと違う環境」の重要度が極めて高く、重要と思う順番に違いがあることがわかりました。

以上の調査結果から、自然体験活動が不登校の子どもの期待に応えることができるという手ごたえを感じる一方で、実際の取り組みにおいては、キャンプ地はどこにするかといった場所や環境以上に、不登校の子どもが参加したいと思うにいたるまでの体制づくりや、自主性を発揮できるプログラムづくりの必要性を再認識しました。

この課題の詳細は、あいちコミュニティ財団Webサイトの下記ブログをご覧ください。
http://aichi-community.jp/posts/12572

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