知多南部3町において、1歳6ヶ月健診時に心理・発達面でリスクが疑われ、その後のフォローが必要と診断される乳児は受診者の約半数、3歳児検診では約4分の1となっています。母親などの育児に関する悩みや不安への対応が求められている中で、発達障がいの可能性のある子どもを育てる家族を支援するにはどのような課題があるのでしょうか。

(1)フォーマル(※1)だけではなく、インフォーマル(※2)な支援が求められている
知多南部3町における知的・発達障がいに関する相談者数は、延べ人数・実人数ともに2013年度に比べて倍に増えています。その相談場所は、保育園・幼稚園や発達外来・心理発達外来等のフォーマルな場に相談する人が多いとともに、友人に相談する人も多くなっています。また、相談先に求めるものとして6割以上が「発達障がいに詳しい支援者がいる」や「同じ立場の親がいる」を選んでおり、専門家を設置した相談場所と合わせて、同じ立場の親がいる相談場所が求められています。

(2)発達障がい児の親が相談役を担うためのスキルを学ぶ環境が必要である
発達障がい児を育てる親へのアンケートの中には、同じように悩むお母さんの話を聞くなど、支援者側で協力したいという方が35人中23人いました。しかし、必要なスキルや心構えを身につける環境がありません。同じ立場の親がいる相談場所を整備するためには、その支援人材が学ぶ環境を整備する必要があります。

(3)支援事業所等が家族支援に取り組める仕組みを考える必要がある
知多南部3町の5つの支援事業所のうち、家族支援を行っているのは2つで、家族の悩みや話を聞く「座談会(サロン)」を実施しているのは1つのみです。どの事業所も家族支援の必要性は認識しているものの、スタッフの数や資金面などから実施できておらず、家族支援が提供できる仕組みを考える必要があります。

そこで、発達障がい児の親がピアサポーター(※3)となって家族支援を行っている先行事例を調査しました。

※1:公的機関や専門職による制度に基づくサービスや支援のこと。
※2:フォーマルな支援以外の支援。家族や近隣住民、友人、民生委員・児童委員、ボランティア、市民公益活動団体(NPO)などの制度に基づかない援助などのこと。
※3:サポート(ピアサポート)を行う同じような立場の人のこと。

この課題の詳細は、あいちコミュニティ財団Webサイトの下記ブログをご覧ください。
http://aichi-community.jp/posts/12695

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