2013年版「こども・若者白書」(内閣府)によると、高校卒業者の4.9%、大学卒業者の13.6%は進学も就職もしていません。一方、就職者のうち、高校卒業者の39.2%、大学卒業者の31.0%が就職後3年以内に離職しています。少子高齢化が進む中、次代の経済・社会の担い手不足が切実な問題になっており、子どもたちが自立した社会人として積極的に社会参加できるよう、学校と地域、産業界との連携がますます重要になっています。

その有効な手立てのひとつに、職場体験やインターンシップがあります。実際の仕事現場で必要な知識や技術・技能に触れることができ、生徒が自己の職業適性や将来設計について考える機会となります。インターンシップ参加後も、主体的に学校生活に取り組むようになると、さまざまな教育的効果が期待され、中学、高校、大学で進められています。中でも高校は、社会の入口に差しかかるため、とても重要な方向性の選択時期であると考えます。「体験」の機会をつくり出すために、以下の課題を解決していく必要があります。

(1) 愛知県の公立高校(普通科)のインターンシップ参加率は、わずか6%(2010年度調査)
約6割もの若者が進学する公立高校の普通科の子どもたちが参加できる機会を増やすことが重要です。

(2) 質の高いインターンシップの普及
受入先企業の開拓や受入時のプログラムの検討、事前・事後学習やその際の外部講師の調整、3年間を見通したカリキュラムづくりなど、多忙な教員だけでの実施では、インターンシップの質の確保は難しいのが現状です。教育効果を高めるためには、専門家となるコーディネーターが学校と地域、産業界をつなぎ合わせる必要があります。

(3) インターンシップの成果が現場の教員や受入企業の担当者に見えにくい
インターンシップの実施により、進路指導活動が活発になったり、卒業者に占める無業者比率が低くなったり、学習活動全般の意欲の向上につながる傾向があると言われています。ただし、これらの具体的なデータやストーリーが現場で奮闘する教員や企業の担当者にうまく伝えられていないのが現状です。本当の意味でのインターンシップの普及には、成果を「見える化」して関係者に届けることが急務であると考えます。

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