「日本で働く外国人労働者」を対象にウェブサイトによるアンケートを実施し、267人の回答を得ました(そのうち技能実習生は175人)。また、ベトナム人およびフィリピン人技能実習生(各6人)に対してヒアリング調査を行いました。

技能実習生の思い1:日本語教室がほしい

職場での会話で困ったことがありますか? という問いに対し、「ある」「たまにある」と答えた人は152人(87%)に上りました。また、今後あなたがほしいサービスやサポートはなんですか? という問いに対し、「日本語教室がほしい」と答えた人は114人(65%)。すでにN3(日本語能力試験3級)以上に合格している人でも、日本語教室に対する希望があることがわかりました。

一方で、会社に日本語教室があると回答した人は17人(10%)しかおらず、ヒアリング調査からも、特に最初の2〜3ヶ月目に日本語の壁にぶつかる機会が多いとの声がありました。日本語を学びたい意欲が満たされていない現状が明らかになりました。

制度上、入国前後における日本語の講習は実施されていますが、実習中の日本語学習支援については、監理団体(※)や企業に対し奨励はされているものの必須ではないため、全ての技能実習生にとって満足のいく支援は行われていないのが現状です。

※監理団体・・・その責任と監理のもとで技能実習生を受け入れ、技能実習を実施する各企業などにおいて、技能実習が適正に実施されているか確認し、指導する団体。

技能実習生の思い2:日本人と交流がしたい

アンケートでは、「社員同士の交流がしたい」が55人(31%)、「近所の人との交流がしたい」が48人(27%)で希望者が多いことがわかりました。一方、社員同士の交流は62人がすでにあるのに対し、地域のイベントに参加したことのある人は27人にとどまっています。ヒアリング調査でも、「仕事中は日本語を話す機会が少ないため、なかなか日本語能力が上がらない」という声が聞かれました。

また、ある監理団体関係者によると、企業の中には、技能実習生に対する地域住民のマイナスイメージを気にして、地域の人と積極的に交流できない中小企業が少なくないそうです。技能実習制度をめぐるトラブルがマスコミ等で報道されている影響だと思われますが、法律上問題のない企業や技能実習生においても、地域社会の中で孤立しやすい状況であることが想定されます。

日本人との交流を求める技能実習生の希望を満たすためにも、企業および技能実習生に対する地域住民の理解を促すためにも、さまざまな形での交流が必要とされています。

この課題に取り組んでいる団体