文部科学省が2012年に全国約5万人を対象に行った調査では、発達障がい児の割合は6.5%、約16人に一人という割合でした。そしてその多くは、各市町村で行われる3歳児検診や保育園・幼稚園での集団行動の中で発見されます。3~5歳児に限って見てみても、愛知県では約13,500人、武豊町では約80人が学習面・行動面で著しい困難を示す発達障がい児の人数となります。自分の子どもが発達障がい児とわかった時、その親は「自分の子育てやしつけに問題があったのではないか?」「子どもをどのように育てればよいのか?」「どう対応すればよいのか?」と多くの悩みや不安を抱えることとなります。しかし、その悩みや不安に答えてくれる場所や情報は少なく、それぞれの親が一人で抱えているのが現状です。

当団体が行った調査でも、発達障がい児を持つ家族が「子どもの就学前に困ったこと」として最も多く挙げた回答は「情報がないこと」で、家族が必要とする情報をキャッチできずにいることがわかっています。また、求める相談場所としては「発達障がいにくわしい支援者がいること」「同じ経験をした親がいること」という回答が多くありました。これらのことから、保護者への情報提供と相談場所の確保が必要です。

そこで、NPO法人PakaPakaでは2016年1月から6月にかけ、計6回の子育てサロンを実験的に開催しました。サロンでは情報提供の場として「子育てサポート講座」を、相談場所として同じ経験をした親(ピアサポーター)に相談できる「子育て相談の時間」を設けました。サロンに参加した人からは「とても勉強になった」との感想とともに、「もっと話がしたかった」「他の地域でも実施してほしい」などの意見もありました。これらの声に対応していく必要性を強く感じていますが、現状、情報提供や傾聴ができるピアサポーターが7人と少なく、対応が必要な40人の家族の方に提供するためには、あと10人のサポーターが足りていません。

この課題に取り組んでいる団体