「平成23年社会生活基本調査」で6歳未満の子のいる夫婦の家事育児時間をみると、愛知県、全国平均ともに、妻は夫の約7倍(図1)で母親の負担が大きいことがわかります。また、核家族化による「子育ての孤立化」は、育児不安の一要因といわれていますが、愛知県では核家族の割合が85%を超えています(図2)。日進市は名古屋市と豊田市に挟まれた市で、1994年の市制施行頃から人口が急増。同時に核家族化が進行し、6歳未満の子のいる世帯の90%以上が核家族です(図2)。
2015年5月、市内の保健センターと子育て支援拠点に訪れる親を対象に産後サポートについて調査を行い、271名から回答を得ました。うち88%が核家族でした。
最初の質問では、9割の母親が「家事・育児を担っている」と回答しています。次に「あなたが子育てに負担や不安を感じたのは、どのような時ですか」の問いに、産後6か月までの子どもを持つ親の59%、産後7か月以降の子どもを持つ親の55%が「自分の時間が取れない」と回答しています。さらに、「家事が思うようにできない」が56%/55%。「自分に代わって育児をしてくれる人がいない」が14%/11%でした。7~9人に1人は、子育てを一人で抱えていると考えられます。
また、「負担や不安にどのように対応していますか」の問いには、54%/49%が「子どもの成長とともに、時が解決した」、39%/35%が「どうすることもできないので、あきらめてやり過ごした」と回答しています。最後に、産後サポートのうち「訪問型家事育児支援サービス」のニーズについて質問したところ、67%が「利用したい」「金額により利用したい」と答えています。「どのような人に支援してもらいたいですか」の問いには、「保健師・保育士などの専門家」が76%、「研修を受けた先輩ママ」が50%という結果でした。
以上の結果から、産後サポートとしての訪問型家事育児支援サービスは、母親が感じている不安や負担の緩和、軽減を図るための支援として有効な方法と期待できます。
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