自分で歩いたり、座ったりすることが難しく、思うように動くことができない子どもたちがいます。また、食事を自分で食べることができず、口に入れてもらっても、うまく飲み込めずにむせてしまったり、呼吸をすることにも努力を要したりする子どももいます。
名古屋市の「高校在学者数」は約6.7万人(2013年)。そのうち、進学や就職を経ながらも、約3.8万人が不安定就労状態(フリーター、ニート、ひきこもり、無業者、3年以内の離職)になるという現実があります(2004年~11年の文部科学省・学校基本調査を元に試算)。
社会全体を身体に例えてみると、社会の課題は病気やけがのようなものと考えることができます。さまざまな疾患に医者や薬があるのと同様に、複雑な社会では課題に直面した場合に、解決するためのさまざまな手段が必要です。そして、いち早く不調に気づいて応急処置をするには、大病院だけでなくかかりつけ医や家庭医療などが欠かせないのと同じように、災害救助や障がい者支援といった緊急で重要な専門性のある課題だけでなく、地域ネットワークや住みやすさにつながる社会貢献活動が、成熟した社会には必要です。
子どもの数は減少する一方で、増え続ける不登校児。日本の義務教育の就学率はほぼ100%。進学率は98%、大学進学率は59%。数字的には教育の行き届いた国のようですが、その一方で全国の不登校の子どもは小、中、高で17万3,750人、高校中退は5万3,937人(2011年度文科省調査)。名古屋市では小学生465人(全国2万2,622人)、中学生は1,395人(全国9万4,836人)となっています(2013年度名古屋市不登校対策基本構想)。また、不登校には至らないけれど、さまざまな悩みや困難を感じている子どもたちは、数字では表れていませんが相当数いると考えられます。
子育てを取り巻く現状として、子育て不安や困難、虐待、貧困などの問題が取り上げられています。名古屋市では、2012年度の児童一時保護件数は833件で、49%は虐待事由です。相談受付件数は1,522件で、うち3歳以下が431件(28%)と言われています。しかも、2011年度に比べ、その件数は68件増加しています(名古屋市中央児童相談所・2012年度)。 (さらに…)